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日本酒

日本酒とは? – 日本酒を楽しむための基礎知識

日本には、さまざまな種類の美味しいお酒があります。中でも日本酒は、日本を代表するお酒と言えるでしょう。
“日本酒を楽しむための、知識が欲しい”という方のために、この記事では日本酒について徹底的に解説しています。知識があることで、日本酒を10倍楽しむことができるでしょう。

また、初めて日本酒を飲む方や、過去飲んでみたが美味しいと感じなかった方に向けて、オススメの日本酒も紹介しています。どれも私自身が実際に飲んでみて、とても感動した日本酒です。自信を持ってオススメします。

私は、日本酒の大ファンです。
この記事を通して、1人でも多くの方が日本酒を好きになってくれたら、これほど嬉しいことはありません。

日本酒とは

日本酒とは、米、米麹、水から造られたアルコール飲料です。
ワインやビールと同じく、原料を発酵させて作る”醸造酒”に分類されます。
ワインは”葡萄”を原料に、ビールは”麦”を原料に、そして日本酒は”米”を原料に造られていると理解すればよいでしょう。

日本酒のアルコール度数は、およそ15%前後のものが一般的となっています。これは、ワインと同じような度数となります。

ワインのような酸味は少なく、ビールのような強い苦味はありません。お米の甘みを感じることができ、中には驚くほどフルーティーな香りがする日本酒も存在します。

和食との相性が抜群ですので、和食料理を食べる際には、ぜひ日本酒を味わってみてください。

日本酒の原料

ワインが”葡萄”を原料に、ビールが”麦”を原料に造られているのに対して、日本酒は”米”から造られています。

日本酒で使用される米は、食用の米ではなく、酒米(さかまい=お酒を造るのに適した専用の米)が使用されます。日本には、酒米が100種類以上も存在すると言われています。

米麹

米に、カビの一種である「麹菌」を繁殖させたものです。日本酒を造る菌として、欠かせない原料となります。

ワインも日本酒も、酵母が糖をアルコールに変える性質を利用して造られます。
ワインの原料となる葡萄は、糖分を多く含んでいますが、米はほとんど糖分を含んでいません。そのため、米麹を使って、米に含まれるデンプンを糖分に変えるのです。


日本酒の成分の約80%は水が原料となっているため、おいしい日本酒を造るためには水がとても重要だと言われています。

軟水で造った日本酒は、繊細な味わいになると言われており、硬水で作った日本酒は、濃厚で辛口な日本酒になる傾向があると言われています。

日本酒の呼び方

通常、”Sake”と記載されていますが、発音する際は”Nihon Shu”と発音します。“Sake”と発音すると、日本ではアルコール飲料全般を指す呼び方として捉えられるからです。つまり、日本で”Sake”と言うと、一般的にはビール、ワイン、ウィスキーなど全てを総称したアルコール飲料の言い方になります。

日本のお店で店員と会話する際は、”Nihon Shu”と発音してください。

日本酒の分類

日本酒には”特定名称酒”と”普通酒”という2つの分類があります。
“特定名称酒”は、さらに、”純米大吟醸”,”純米吟醸”,”特別純米酒”,”純米酒”,”大吟醸”,”吟醸”,”特別本醸造酒”,”本醸造酒”の8つに細分化されます。

日本酒の本当の美味しさを味わうためには、”特定名称酒”に分類されるものを選ぶようにしましょう。初めて飲む方には、”純米大吟醸”がオススメです。米らしい旨味を感じられ、飲みやすい味になっているものが多いからです。

“普通酒”とはスーパーやコンビニ等で激安で販売されている日本酒が該当します。日本酒の味を楽しむというよりも、ただ単に、たくさんのアルコールを飲んで酔っ払いたい人には向いているかもしれません。この記事を読んでいる方は該当しないと思いますので、”特定名称酒”に分類される日本酒を選びましょう。
日本酒のラベルには、必ずこれらの分類が記載されていますので、購入する際はかならずチェックすべきポイントです。

以下、特定名称酒の特徴について説明します。

特定名称酒

たくさんの手間と時間をかけて、より丁寧に造られた日本酒は、”特定名称酒”という分類になります。
“特定名称酒”は、精米歩合の数値と醸造アルコールの有無などによって、さらに8つに分類されます。

精米歩合

米粒の表層部を削り、残った米の割合を示す数値です。米粒の表層部には、日本酒に望ましくない風味を引き起こすタンパク質、脂肪、ミネラルが含まれているため、それらを除去することでおいしい日本酒に仕上げます。
例えば、精米歩合が60%の日本酒は、米粒の表層部を40%削り取り、残った60%の米粒を集めて造った日本酒ということになります。たくさん削り取ると、その分、日本酒を造るためにたくさんのお米が必要になるため、精米歩合の数値が低い程、高価な日本酒になる傾向があります。

醸造アルコール

サトウキビを原料にして造るアルコールです。日本酒の原料に加えることで香りを引き立たせて、味をスッキリさせる効果があります。反対に、醸造アルコールを加えない日本酒の場合は、米の旨味が感じられる柔らかい味になります。
ただし、醸造アルコールを加える場合は、白米の重量の10%以下に制限されています。それ以上加える場合は、増量のために入れているという意味合いが強くなるため、”特定名称酒”ではなく、”普通酒”という分類になります。

米・米麹・水だけを使った日本酒は「純米タイプ」となります。対して、醸造アルコールを加えた日本酒は「本醸造タイプ」となります。
純米タイプの日本酒は、米の旨味が生きた柔らかい味に仕上がります。対して、本醸造タイプの日本酒は、香りが高くてスッキリした日本酒になります。どちらが優れているということではなく、人によって好みが分かれるポイントになります。

特定名称酒の分類表

精米歩合の数値および醸造アルコールの有無などにより、特定名称酒は、以下8つの分類で表すことができます。
(下記の要件を満たすことができなかった日本酒は、すべて”普通酒”という分類になるのです。)

分類精米歩合醸造アルコール
純米大吟醸50%以下原料に含まない
=純米タイプ
純米吟醸60%以下
特別純米酒60%以下
または特別な製造方法(*1)
純米酒指定なし
大吟醸50%以下原料に含む
(白米の重量の10%以下)
=本醸造タイプ
吟醸60%以下
特別本醸造酒60%以下
または特別な製造方法(*1)
本醸造酒70%以下
(*1)特別な製造方法: 特別な製造方法により、特別純米酒または特別本醸造酒と名乗る場合、商品のラベルにきちんとその製造方法を明記する必要がある。特別な製造方法の例として、「長期低温発酵で造られている」「農薬の使用を抑えた特別なお米を原料にしている」等が挙げられる。

日本酒の量の単位

居酒屋等で日本酒を注文する場合、メニューに「一合(いちごう)」と表示されていることがあります。
日本酒の「一合」とは、180mlのことです。
これは、ぜひ覚えておきましょう。
また、十合 ( =1,800ml) で、一升(いっしょう)となります。

お店で日本酒を買う場合、同じ銘柄の日本酒でもいくつか瓶の種類が異なります。よくあるのは、180ml, 720ml, 1,800ml です。
一合の容量を知っていれば、なぜこのような量になっているのか理解できると思います。

酒屋、スーパー、デパート等で販売されている日本酒の容量

  • 180ml = 一合
  • 720ml = 四合
  • 1,800ml = 一升 (= 十合)

尚、720mlの瓶を四合瓶(しごうびん)、1,800mlの瓶を一升瓶(いっしょうびん)という言い方をします。お店で日本酒を購入する際には、知っておくと役に立つと思います。

日本酒の甘口と辛口

甘口の日本酒
辛口の日本酒

日本酒のラベルに「甘口(あまくち)」とか「辛口(からくち)」と書いてあれば分かりやすいですね。
しかし、記載されていても、どの程度甘口なのか?どの程度辛口なのか?という指標を知りたいこともあります。
そのような場合、「日本酒度」「酸度」「アミノ酸度」という3つの指標から判断することができます。

日本酒度

日本酒に含まれる糖分の比重を数値化したものです。数値が低いと甘口に、数値が高いと辛口に感じられます。
基本的には、数値がマイナスの場合は甘口、「0.0 ~ +2.0」は中口(普通)、「+2.1 ~」は辛口となります。

酸度

日本酒に含まれる酸の量を示す数値です。数値が低いと甘口に、数値が高いと辛口に感じられます。
1.0 ~ 2.0 が平均の数値です。

アミノ酸度

日本酒に含まれるアミノ酸の量です。旨味を引き出すアミノ酸は、多い方が甘口に感じられます。
数値が低いと辛口に、数値が高いと甘口に感じられます。
1.0 ~ 2.0 が平均の数値となります。

もし、ラベルに「甘口」「辛口」の記載がなく、日本酒度、酸度、アミノ酸度の記載もない場合、店員に聞いてみましょう。「甘口の日本酒はどれですか?」という風に質問すれば、丁寧に教えてくれると思います。
尚、甘口の日本酒は、純米タイプに多いようです。

日本酒の温度

日本酒は、日本の気候にあわせて独自の進化を遂げたお酒で、常温でも美味しいし、冷たい状態で飲んでも美味しいし、逆に温めた状態で飲んでも美味しいという、世界でも珍しいお酒です。

常温の状態を「冷や(ひや)」、冷たい状態を「冷酒(れいしゅ)」、温めた状態を「燗(かん)」と言います。
燗については、温める温度の違いによって、「ぬる燗(ぬるかん)」や「熱燗(あつかん)」など、さらに呼び方が異なってきます。
日本のBarや居酒屋で日本酒を飲む際には、「冷や」「冷酒」「燗」という呼び方さえ知っていれば十分でしょう。

日本では、夏の暑い日には「冷酒」が人気です。逆に、冬の寒い日には「燗」で飲まれることが多くなります。日本の四季の変化にあわせて楽しむことができるのも、日本酒の特徴です。

おいしい日本酒とは?

飲んで試してみるしかありません。

なぜならば、飲む人によって好みが分かれるからです。
しかも、誰もが、「高級品の純米大吟醸や大吟醸が美味しい」とはならないのが、日本酒の面白いところです。
自分好みの日本酒を見つけるときのポイントを記載しておきます。

自分好みの日本酒を見つけるためのポイント

  • ポイント1. 純米タイプが好き?本醸造タイプが好き?
  • ポイント2. 精米歩合は低い方が好き?高い方が好き?
  • ポイント3. 甘口が好き?辛口が好き?

どれが自分の好みなのか、やっぱり飲んでみないとわからないですよね。
ぜひいろいろ試して、自分好みの香りや味わいの日本酒を見つけてみてください。

オススメの日本酒

ここでは、日本だけでなく海外でも大人気になっている銘柄を紹介したいと思います。
初めて日本酒にチャレンジする方にも、とてもオススメの日本酒です。

獺祭(DASSAI)

獺祭 純米大吟醸45 (1,800ml)

日本だけでなく、海外でも大人気の日本酒です。
人気の理由は”味”です。日本酒の概念を覆したとも言われるフルーティな味は、若い世代や女性など、日本酒に馴染みがなかった人にも受け入れられました。
私もはじめて獺祭を飲んだときに、まるでパイナップルのような甘さを感じて、「どうやったら、お米がこんな味になるの?」と感動したことを覚えています。
はじめて日本酒にチャレンジしてみる方には、ぜひ獺祭を飲んでみることをオススメします。

獺祭には、色々な種類がありますが、特にオススメなのが「純米大吟醸45」です。これは、日本で最高の酒米といわれる”山田錦”を45%まで磨いて作られた純米大吟醸の日本酒です。
オススメの理由はコストパフォーマンスの高さです。一升瓶(1,800ml)で、3,630円(税込)という価格は、はっきり言って、安すぎます。(製造元の旭酒造には感謝です。)

また、製造元の旭酒造からは、利益だけを追求するのではなく、真摯に日本酒造りに取り組んでいる姿勢が見て取れるのも、私が獺祭を好きな理由です。
獺祭は、日本だけでなく海外でも大人気で、時期によっては品薄状態となり転売されて価格が高騰することがあります。それでも、旭酒造は、一升瓶(1,800ml)で、3,630円(税込)という庶民でも手に届く価格で販売しています。(2023年2月時点)

以下、製造元である旭酒造の公式HPに掲載されている文章です。

旭酒造は酒造りが好きです
ともすれば一時のワインがそうだったように、吟醸酒の世界も、通でなければわからないとか、理解しづらいモノのように語られます。絶対に違います。
真に美味しい酒は、誰が飲んでも美味しいモノです。
旭酒造は真に美味しい酒を目指します。

旭酒造 公式HP(https://www.asahishuzo.ne.jp/)より

繰り返しになりますが、はじめて日本酒を飲む方にはぜひとも獺祭を。また、まだ獺祭を飲んだことがない方も、ぜひとも獺祭を。人気の理由が理解できるはずです。

獺祭 純米大吟醸45(DASSAI 45)
 銘柄/獺祭
 分類/純米大吟醸
 精米歩合/45%
 アルコール度数/16%
 価格/3,630円(税込)/1,800ml、1,815円(税込)/720ml
 産地/山口県 岩国市
 製造/旭酒造株式會社
 公式サイト/https://www.asahishuzo.ne.jp/

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梵(Born)

梵・日本の翼(720ml)

日本を代表する日本酒、それが”梵”です。
梵は、日本国政府や大使館などが、国賓をもてなす際によく提供されている日本酒です。また、アメリカやイギリス等の海外のコンクールにおいて、数々の賞を受賞している評価の高い日本酒です。

梵にも、色々な種類がありますが、オススメは「梵・日本の翼」です。
その名の通り、日本政府専用機の正式機内酒として採用されています。政府専用機に招待された海外の首脳をもてなす際や、海外を訪問する際の手土産として提供されているのです。
また、JAL国際線のファーストクラスの機内酒としても採用されています。

日本旅行のお土産として、大事な人への贈り物として、最適な日本酒が「梵・日本の翼」なのです。

もちろん、味も一級品です。私が初めてこの「梵・日本の翼」を飲んだときは、美味しすぎて飲むのが止まらず、720mlがすぐに無くなってしまいました。

以下、製造元である加藤吉平商店の公式HPに掲載されている文章です。

古くからものづくりの文化が根付く鯖江で、私たちは160年前から日本酒造りを続けています。

完全無添加の純米酒のみにこだわり、
「素材・温度・技術」
日本酒造りの全工程に職人ひとりひとりの思いが詰込まれています。

世界中の「祝いの席」から「日常のご褒美」まで。
幸せな時間がより輝くためにつくった日本酒です。

世界に誇る日本酒を、ここ、鯖江から。

加藤吉平商店 公式HP(https://www.born.co.jp/)より

日本が世界に誇る日本酒を、ぜひ味わってみてください。

梵・日本の翼(Born: Wing Of Japan)
 銘柄/梵
 分類/純米大吟醸
 精米歩合/35%(20%精米歩合の純米大吟醸酒と35%精米歩合の純米大吟醸酒の1:1のブレンド)
 アルコール度数/16%
 価格/5,940円(税込)/720ml
 産地/福井県 鯖江市
 製造/合資会社 加藤吉平(きちべえ)商店
 公式サイト/https://www.born.co.jp/

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東洋美人

東洋美人 純米大吟醸 壱番纏(720ml)

2016年に開催された日露首脳会談において、ディナーで用意された日本酒が「東洋美人 純米大吟醸 壱番纏」です。
後日の会見において、ロシア大統領は「東洋美人は美味しかった」と、日本酒の感想を述べて世間を驚かせました。その内容がテレビで放送されると、製造元の澄川酒造に3日間で2万本以上の注文があったそうです。

フルーティで雑味がなく、とても飲みやすい日本酒です。
一時期、入手困難な時期が続きましたが、いまでは入手しやすくなったため、ぜひとも飲んでほしい日本酒です。

「東洋美人」というちょっと変わった名前の由来は、製造元となる澄川酒造の初代経営者が、先に亡くなった自分の妻を想って名付けたものだそうです。1921年創業で、現在の経営者は4代目となっていますが、その間、ずっとこの名前を守り続けています。

「酒造りでは誰にも負けないつもり」という情熱を持って日本酒造りを行っている澄川酒造の公式HPには、以下の文章が掲載されています。

「王道の日本酒造り」
奇をてらわず、美味しさと品質両面で100%の酒を造ることを強く意識している。
お米の丸み、甘み、旨みを持った日本人のDNAに響く日本酒造りにこだわっている。
また、「0杯から1杯へ」を目標に、日本酒を飲んだことのない人にも親しんでもらえるような華やかでフルーティーな香味も意識している。

澄川酒造 公式HP(https://toyobijin.jp/)より

こだわりの日本酒を、ぜひ味わってみてください。

東洋美人 純米大吟醸 壱番纏
 銘柄/東洋美人
 分類/純米大吟醸
 精米歩合/40%
 アルコール度数/16%
 価格/3,850円(税込)/720ml
 産地/山口県 萩市
 製造/株式会社澄川酒造場
 公式サイト/https://toyobijin.jp/

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まとめ

この記事では、日本酒の特徴やオススメの日本酒などを紹介しました。
日本酒を楽しむための予備知識をすべて解説したつもりです。日本酒を買いに行くとき、居酒屋や日本酒Barで日本酒を飲むとき、必ず役に立つ情報だと思いますので、いつでもこのページを呼び出せるように、あなたのブックマークに加えてもらえたら幸いです。

知識を仕入れたら、あとは実践あるのみ。日本でたくさん日本酒を飲んでみましょう。
日本には、1,400以上の酒蔵(日本酒を造るところ)があり、10,000以上の銘柄があるといわれています。
その中から、あなたに合った最高の日本酒を見つけてみてください。

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