日本では、お正月になると”おせち”という料理を食べて新年を祝います。
毎年10月くらいになるとデパート、スーパー、コンビニなど、色々なお店でおせち料理の予約を受け付けるようになります。その時期には、日本の街中のいたるところで”おせち料理の予約ポスター”や”おせち料理のパンフレット”を見かけるだろうと思います。
この記事では、日本のおせち料理とはどういうものかを詳しく説明しています。
おせち料理にはとても深い意味が込められています。”意味を知らない状態で食べただけ”では、おせち料理の魅力が半減してしまいます。ぜひこの記事を読んで、おせち料理の知識を身に付けてください。きっとおせち料理を何倍も楽しむことができるでしょう。
そして、日本で新年を迎える方は、ぜひおせち料理を食べてみてください。
- おせち料理とは
- おせち料理の購入方法
- おせち料理の定番14品
- 黒豆(くろまめ)/Kuromame
- 数の子(かずのこ)/Kazunoko
- 田作り(たづくり)/Tazukuri
- たたきごぼう/Tataki Gobo
- かまぼこ/Kamaboko
- 伊達巻き(だてまき)/Datemaki
- 栗きんとん(くりきんとん)/Kuri Kinton
- 紅白なます(こうはくなます)/Kohaku Namasu
- 鯛の姿焼き(たいのすがたやき)/Tai no Sugatayaki
- 鰤の照り焼き(ぶりのてりやき)/Buri no Teriyaki
- 車海老艶煮(くるまえびつやに)/Kurumaebi Tsuyani
- 煮蛤(にはまぐり)/Ni Hamaguri
- 昆布巻き(こぶまき)/Kobumaki
- 筑前煮(ちくぜんに)/Chikuzen ni
- まとめ
おせち料理とは
おせち料理とは、日本のお正月に食べる伝統的な料理です。重箱(じゅうばこ)と呼ばれる箱に様々な料理が敷き詰められており、さらにその箱は幾重にも重ねられています。
特定の1つの料理をおせち料理と言うのではなく、様々な料理がセットになって重箱に詰められているものを総称して”おせち料理”と呼ぶのです。
重箱の中には、魚やエビなどの魚介類をはじめ、様々な食材を使った和風料理が多く詰められています。豪華な食材と華やかな見た目から、お正月を祝うにはまさに最適なご馳走と言えるでしょう。
そして、ひとつひとつの料理・食材には、すべておめでたい意味が込められているのが最大の特徴です。
日本の伝統的な家庭(おじいちゃん、おばあちゃんがいる家庭)では、自分達の手作りでおせち料理を作ることもありますが、多くの家庭ではお店で購入することが一般的となっています。
お店で購入する場合、決して安くはありませんが、豪華な食材と華やかな見た目から、満足度は高いと言えるでしょう。
おせち料理は、多くの家庭ではお正月に必ず食べる料理です。
また、お正月に来客がある場合は、客人をもてなすために必須の料理でもあります。
日本のお正月を語る上で絶対に外せないもの、それがおせち料理なのです。
おせち料理の多様化
近年では、伝統的な和風のおせち料理だけでなく、洋風、中華風、和洋折衷などさまざまな種類のおせち料理があります。また、一人だけで楽しめるものや、家族でみんなで楽しめるものなど、食べる人数に合わせてボリュームもさまざまなものがあります。
さらには、高級ホテルや高級レストランが販売する豪華なおせち料理も人気です。
まさに、自分の好みやライフスタイルに合わせて、おせち料理を選択することができるようになっています。
重箱の意味
重箱とは、おせち料理を詰める箱です。通常、光沢のある黒い箱で、とても高級感を感じさせる箱になっています。黒い重箱のふたを開けた時に広がる、色とりどりのおせち料理が敷き詰められた様子は、とても華やかで美しく、見ているだけで幸せな気持ちになります。
重箱は、複数の箱が重ねてあるのですが、これには”幸せを重ねる”という意味が込められています。
おせち料理を作る家庭や、おせち料理を売っているお店などで段数は異なりますが、正式な段数は4段となります。また、どの段に、どのような料理を詰めるのかも決まっています。
(ただし、日本の地域によって多少異なる場合があります。また、現代の日本では3段が一般的になっているようです。さらに一人用、二人用のおせち料理として、1段のものや、2段のものも好まれています)
おせち料理の購入方法
おせち料理は色々なお店で購入することができます。ただし、どこで購入する場合においても、必ず事前予約が必要だということを知っておいてください。
毎年10月中旬くらいになると、様々なお店でおせち料理の予約を受け付けるようになります。デパート、スーパー、コンビニ等で予約できるのは当然ですが、意外なところでは郵便局でもおせち料理の予約を受け付けるようになります。
当然、インターネットでも様々な店舗が予約の受け付けを行うようになります。
10月中旬~12月下旬までの間、まさに日本の様々な店舗でおせち料理の予約の取り合いが行われるのです。
この記事では、インターネットでおせち料理の予約を受け付けているサイト“Belluna Gourmet(ベルーナグルメ)”を紹介します。
食べる人数や予算などで最適なおせち料理を検索できたり、和風・洋風・中華風などジャンルで検索することもできます。また、ホテル監修のおせち料理の予約もできます。
100種類を超えるおせち料理が掲載されていますので、きっとあなた好みのおせち料理を見つけることができるでしょう。コスパも非常に優れていることから、オススメのサイトです。
おせち料理の定番14品
重箱の中には様々な料理が詰められています。お店で購入する場合、値段によって異なりますが、だいたい15品~40品程の料理が詰められています。
ここでは、重箱に詰められている定番の14品を紹介します。
おせち料理のパンフレットを見て、どのおせち料理を購入するか迷った時は、ぜひこの章の内容でチェックしてみてください。
黒豆(くろまめ)/
Kuromame
とても甘く煮た豆です。甘いので子供も大好きな料理です。
黒豆の「まめ」という言葉には、元気・丈夫・健康などの意味があります。また、「まめに働く」「まめに暮らす」などの語呂合わせは、日本人が勤勉な生き方を大事にしていることを表しています。
昔からおせち料理には欠かせない一品となっています。
数の子(かずのこ)/
Kazunoko
数の子とは、ニシンという魚の卵のことです。
非常に多くの卵を持つことから、「たくさんの子に恵まれますように」「我が家が代々栄えますように」とう願いが込められています。
固くなるまでしっかりと天日干しした「干し数の子」と、干さずに塩漬けした「塩数の子」の2種類があります。
田作り(たづくり)/
Tazukuri
小さな片口イワシを干したものに、しょうゆ、みりん、砂糖などで作った甘辛いタレを絡めた料理です。
以前は、片口イワシが農作物の肥料として使われていたようです。そのことから、田作りは「豊年満作」や「五穀豊穣」を願っておせち料理として食べられるようになりました。
日本の地域によっては、「ゴマメ」と呼ぶこともあります。
たたきごぼう/
Tataki Gobo
ごぼうの煮物です。さっぱりとした甘さでシャキシャキとした食感が楽しめます。
ごぼうは、地中に根を張り力強く成長することから「延命長寿」の象徴と考えられ、「健康で長生きできるように」という願いが込められています。また、ごぼうが土地に根付く姿に重ね「家族が土地に根付いて安泰に暮らせますように」という願いも込められています。
かまぼこ/
Kamaboko
かまぼことは、タラなどの白身魚をすりつぶして加工した食べ物です。日本で生活していると、普段から見かける機会は多いと思います。
ピンクの部分は「めでたさ」や「魔除け」の意味を持っており、白色の部分は「神聖さ」や「清浄」の意味を持っています。また、半円形に切られている形にも意味があり、この形は「初日の出」をイメージしたものになっています。
伊達巻き(だてまき)/
Datemaki
伊達巻きは、日本の卵料理の1つです。白身魚やエビのすり身に溶き卵と出汁を加えてよく混ぜ、みりんや砂糖で味付けして焼いた料理です。甘く、食べやすいため、子供にも人気のおせち料理です。
形が巻物(=昔、日本で使われていた書物)に似ていることから、学業成就の願いが込められています。
栗きんとん(くりきんとん)/
Kuri Kinton
さつまいも等のイモ類を煮てつぶし、クリなどを入れた甘い料理です。とても濃厚な甘さが特徴で、おせち料理の中でも大人気の一品です。
黄金色の見た目を金塊や小判などに見立てていることから、転じて金運上昇を願う料理になりました。
お正月以外にも、和菓子として食べることもある料理です。
紅白なます(こうはくなます)/
Kohaku Namasu
千切りにしたニンジンと大根を、お酢や砂糖などで味付けした料理です。さっぱりとした上品な甘酸っぱさが特徴です。
お祝い事のシンボルである紅と白の組み合わせには、平安・平和への願いが込められています。
ニンジンと大根が細切りにされているのには、紅白の水引き(祝儀袋に用いられる飾りの紐)をイメージしていると言われています。
鯛の姿焼き(たいのすがたやき)/
Tai no Sugatayaki
日本では高級魚とされている鯛です。
「めでたい」の語呂合わせから、鯛はお祝いの席には欠かせない縁起物です。
また、七福神の恵比寿様(=福をもたらす神)が持っている魚として、とても縁起がいいとされています。
おせち料理の中でも、メインとなる一品です。
鰤の照り焼き(ぶりのてりやき)/
Buri no Teriyaki
「出世魚(しゅっせうお)」という魚をご存じでしょうか?日本では大きさによって呼び方が変わる魚をこのように言います。
ある魚は、大きくなるにしたがって、ワカナゴ→イナダ→ワラサ→ブリという順序で呼び方が変わります。(日本の関東地方の呼び方)
ブリは一番大きくなったものの呼び方なので、日本社会で言うと、社長みたいなものですね。そのため「立身出世を願う」という意味が込められています。
車海老艶煮(くるまえびつやに)/
Kurumaebi Tsuyani
車海老を和風調味料(出汁・酒・みりん・醤油・砂糖など)で煮たものです。頭を残したままにしておくのが一般的です。
海老の長いひげや曲がった腰は、長生きをした人間の象徴ともいえます。同じ姿をした海老に、長寿の願いが込められているそうです。
その他にも、豪華なおせち料理では、伊勢海老などの高級海老を使うこともあります。
煮蛤(にはまぐり)/
Ni Hamaguri
蛤(はまぐり)を茹でて出た出汁と、和風調味料(出汁・酒・みりん・醤油・砂糖など)で煮込んだ料理です。
左右両側の二つの貝がぴったり合うのは一組しかないことから、夫婦円満の願いが込められています。
日本酒のおつまみとしても人気があります。夫婦で日本酒を飲みながらお正月をゆっくり過ごすのは、最高の贅沢ですね。
昆布巻き(こぶまき)/
Kobumaki
にしんなどの魚を昆布で巻いた料理です。
昆布は、「よろこぶ」との語呂合わせで、昔から縁起物としておせち料理の一品として用いられてきました。
また、「養老昆布(よろこぶ)」とも書けることから、お祝いの意味の他にも不老長寿の願いが込められています。
さらに、昆布に「子生(こぶ)」という当て字をすることで、子孫繁栄の意味もあると言われています。
筑前煮(ちくぜんに)/
Chikuzen ni
鶏肉、ニンジン、レンコン、ゴボウ、コンニャクなどの食材を油で炒め、砂糖と醤油で味付けし甘辛く煮た料理です。
食材の1つ1つに意味が込められており、例えば、レンコンは無数の穴が空いていて向こう側が見通せることから、将来の見通しが良くなると言われています。
まとめ
おせち料理は、日本のお正月に食べる伝統的な料理です。
重箱の中に色々な料理が詰まっており、とても豪華で華やかな見た目となっています。
そして、料理にはすべて縁起の良い意味が込められています。意味を知ることで、おせち料理を食べる楽しみが増すことでしょう。
お正月を日本で過ごすみなさん。
みなさんもぜひ一度、日本のおせち料理を食べて新年を祝ってみてくださいね。
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