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東京

東京の下町の特徴とおすすめの下町ベスト10

「下町(したまち)」は東京を代表する地域の1つです。
下町には、かつての日本を思わせるようなレトロな雰囲気が残っています。

ビルが立ち並ぶ都心とは全く雰囲気が異なるため、東京の下町を訪れるとその違いに驚くことでしょう。

この記事では東京の下町の特徴と下町以外の地域との違い、下町の良いところを紹介しています。読めば東京の下町について十分に分かるでしょう。また、訪れるのにおすすめしたい東京の下町ランキングを載せています。
東京の下町に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

下町とは何か

東京における下町は、現在は以下の特徴を持つ地域をいいます。

  • 東京23区東部(足立区、葛飾区、荒川区、台東区、墨田区、江東区、江戸川区)にある
  • 川や海が近くにある低地
  • 昔ながらの日本の雰囲気が残っている
  • 庶民的な人々が住む

現在の下町は、江戸時代(1603年~1868年)の下町の名残があります。江戸時代当時、以下のような地域を下町と呼んでいました。

  • 政権の中心地であった江戸城(現在の皇居)の東側
  • 川や海が近くにある低地
  • 庶民(武士以外の一般市民)が住む

当時の江戸城の東側は、現在の東京都23区東部に該当します。この地域は江戸時代、川や海が近くにある低地でした。低地は生活や商業に必要な物資を運ぶのに便利であったため、主に庶民が住んでいたのです。

このような低地からは江戸城を見ることができたため、「江戸城の下にある町」といわれました。それが転じて「下町」と呼ばれるようになったといわれています。
この江戸時代の下町の特徴を引き継いでいるのが、現在の下町なのです。

東京の下町と下町以外の地域との違い

東京の下町と下町以外の地域には「地理的な違い」と「雰囲気の違い」があるといえます。

ここでは、下町とセットで比較される「山の手(やまのて)」という地域の特徴を取り上げながら、下町との違いを説明していきましょう。山の手は、地理的には以下のような特徴を持つ地域です。

  • 東京23区西部(目黒区、世田谷区、渋谷区、中野区、杉並区、豊島区、板橋区、練馬区、北区)にある
  • 高台にあるのが一般的

上記を見ていただくと、下町とは反対の場所にあることが分かるでしょう。山の手の雰囲気の特徴としては「都会的・近代的な雰囲気が多い」ことが挙げられます。
たとえば、近代的な商業施設や高層ビル群が多く並ぶ渋谷は、山の手です。昔ながらの日本の雰囲気が残る下町とは反対の雰囲気といえます。江戸時代、山の手には庶民より位の高い武士の屋敷があったこともあり、下町との雰囲気に差が生まれているのかもしれません。

ただし、山の手とはいっても高台でない場合や、下町のような雰囲気がある場所も存在します。東京23区東部が下町、西部が山の手という位置の違いは明確ですが、土地の形や雰囲気の違いは曖昧になっているところもあるのが現状です。

東京の下町の良いところ8つ

東京の下町の良いところは、次の8つです。

昔ながらの日本の雰囲気が残る

東京の下町には、昔ながらの日本の雰囲気が残っています。年季の入った商店街があったり、日本の伝統的な古民家が点在していたりするのです。下町には、高層ビルやタワーマンションはほとんどありません。下町に行くと、東京にいることを忘れてしまうくらいです。

地元民は気さくで情に厚い

東京に住んでいる人の多くは地方出身者ですが、下町に関しては異なります。下町に住むのは、家族代々でその地域に生まれ育った人であるのが一般的です。
このため下町の住民は仲間意識を強く持っていますが、外部の人を疎外することはありません。気さくで情に厚い人が多いです。日本人の多くはシャイですが、下町の地元民は気軽に話してくれるでしょう。

歴史のあるお寺や神社が点在する

東京の下町には、「浅草寺(せんそうじ)」や「根津神社(ねづじんじゃ)」など歴史のあるお寺や神社が点在しています。都会の観光に疲れたときに心を浄化できるようなお寺や神社があるのが、下町の良いところです。

お祭りが多く開催される

東京の下町では、お祭りが多く開催されます。下町のお祭りは、活気があって荒々しいのが特徴です。都会にいながらも日本の伝統的な文化も体感できるのが、下町の良いところです。

日本人の職人技に触れられる

江戸時代の下町には、職人が物を製造する工場が多くありました。現在でもその名残があります。工場はもちろん、職人が手作りした物を買えるお店も多いです。下町では、細かく丁寧な技術を得意とする日本人職人の技に触れられます。

安くて美味しい飲食店が多い

東京の都会で食事をするとなると、飲食店によりますが平均すると1,000円~2,000円ほどかかる場合があります。決して安くはありませんよね。
しかし東京の下町には、安くて美味しい飲食店が多いです。1,000円以下の価格、中には500円硬貨1枚で食べられるところもあります。食べられるのは、そばやうどん、定食といったような、日本人家庭で馴染みのある料理が多いです。
安くて美味しい日本料理を食べたいのであれば、下町は適した場所といえます。

お手頃価格で買い物できる商店街が並ぶ

東京は物価が高い地域ですが、下町に関してはこの限りではありません。お手頃価格で買い物できる商店街が並んでいるからです。お手頃価格で買い物ができるのは、下町が江戸時代から商業が盛んな地域であったためといわれています。
かつての日本の雰囲気が残る商店街で買い物を楽しめるのが、下町の良いところです。

近代的でおしゃれなお店も増えている

近代的でおしゃれなお店も増えているところも、下町の良いところです。
顕著なのが「蔵前(くらまえ)」と呼ばれる下町。もともとは職人が集まる閑静な町でしたが、現在ではおしゃれなカフェや雑貨店が多く建てられています。下町に新しく建てられたお店は、その下町が持つ雰囲気を壊すことなく馴染んでいるのが特徴です。

東京の下町おすすめランキング

ここでは、東京の数ある下町の中で訪れるのをおすすめしたい10箇所をランキング形式で紹介します。ランクインしている東京の下町は、日本人のみならず海外の方も多く訪れる人気スポットです。

東京の下町観光のときに、ぜひ参考にしてください。

おすすめ1位 浅草(あさくさ)

浅草は、浅草寺周辺に形成された下町。日本人に「東京の下町といえば?」と聞くと、必ずといって良いほど挙がる下町です。
昔ながらの日本の雰囲気が今でも多く残っていて、日本人のみならず、海外の方からも愛されています。
浅草に行ったら外せないのが、次の3つです。

  1. 都内最古の浅草寺を参拝する
    あらゆる願いを叶える力をくれることで有名。浅草を訪れる日本人は、浅草寺を必ず訪れるといっても良い。
  2. 仲見世商店街新仲見世商店街を訪れる
    昔ながらの日本の雰囲気が残る商店街。仲見世商店街は日本で最古の商店街。
    浅草寺と一緒に訪れるのが、日本人の楽しみ方。
  3. 三社祭に参加する
    毎年5月に行われる浅草神社のお祭り。
    2日間で100基以上の神輿(みこし)が担がれることで有名。
    地元住民男性の荒々しい神輿担ぎは必見。

浅草では下町住民と触れ合えたり、日本で歴史のあるお寺や神社を巡ることができたりと、下町を存分に体感できる場所です。東京観光の際は、ぜひ訪れてみてください。

浅草へのアクセス
浅草駅(東京メトロ銀座線、都営地下鉄浅草線、東武スカイツリーライン)から徒歩約2分

おすすめ2位 谷根千(やねせん)

谷根千は、谷中と根津、千駄木の3つの地域が集合した下町。これら3つの地域名の頭文字をとって、谷根千と呼ばれています。
谷根千で外せないのが、商店街の「谷中ぎんざ」。生活雑貨店や食料品店、飲食店など約60店舗が並ぶ、情緒ある商店街です。谷中ぎんざへ訪れる日本人の多くは、このように過ごします。

  • 惣菜店で惣菜を買って、食べ歩きをする
  • 駄菓子屋で小さい頃に食べた懐かしいお菓子を買う

根津神社へ訪れることも外せません。1900年の歴史がある、日本の由緒正しい神社です。複数の鳥居が並ぶ「千本鳥居」の美しさに圧倒されるでしょう。
日本ならではの商店街や歴史のある神社に興味のある方に、おすすめの下町です。

谷根千へのアクセス
日暮里駅(JR京浜東北線、京成電鉄、東京都交通局)から徒歩約5分

おすすめ3位 蔵前(くらまえ)

蔵前は、かつて人形を作る職人が集まっていた下町。前述した通り蔵前は、下町の中でも近代的でおしゃれなお店が増えている町として有名です。蔵前に行くと、若い日本人を多く見かけることでしょう。
蔵前を訪れたら、カフェや雑貨店巡りは欠かせません。中でも次の3つは、蔵前ならではの体験なのでおすすめです。

  1. 文具屋「カキモリ」で自分だけのノートを作る
  2. 老舗ベーカリー「ペリカン」で日本のパンを買う
  3. お茶専門店「茶室 小雨」で日本のお茶とお菓子を楽しむ

下町らしさとおしゃれな雰囲気の両方を楽しめるのが、蔵前です。

蔵前へのアクセス
蔵前駅(都営地下鉄大江戸線・浅草線)から徒歩すぐ

おすすめ4位 上野(うえの)

上野は、国立の美術館や博物館、動物園など文化・レジャー施設が集まる下町。
上野へ行ったら外せないのが、「アメ横商店街」です。下町ならではの賑わいがあり、文化・レジャー施設が集まるエリアとは異なる雰囲気に驚く人も少なくありません。アメ横商店街には、鮮魚店やお菓子屋、衣料品店、雑貨店など様々なジャンルのお店が並びます。
東京は物価が高いですが、アメ横商店街で売られているものはお手頃価格です。東京のお土産を買うのにぴったりでしょう。ぜひ地元店員との会話を楽しみながら、買い物をしてみてください。

上野へのアクセス
上野駅(JR山手線・京浜東北線など、東京メトロ銀座線・日比谷線)から徒歩すぐ

おすすめ5位 築地(つきじ)

築地は、東京駅の近くにある下町。
築地へ行ったら「築地場外市場」へ行くことは外せません。魚介料理(お寿司や乾物)のお店や喫茶店などが並びます。日本の古き良き市場の雰囲気を感じながら、日本料理を楽しめるのは築地ならではの体験です。
東京駅周辺を観光する予定があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。

築地へのアクセス
築地駅(東京メトロ日比谷線)から徒歩約2分

おすすめ6位 合羽橋(かっぱばし)

合羽橋は、調理器具のお店が並ぶ下町。「かっぱ橋道具街」では、日本人職人が作った高品質の調理器具を見ることができます。
特に包丁は、外国人観光客の多くが買います。切れ味と刃持ちが良い包丁は、他では見られないと好評です。
下町の職人技を見てみたい方におすすめの下町です。

合羽橋へのアクセス
田原町駅(東京メトロ銀座線)から徒歩約5分

おすすめ7位 月島(つきしま)

月島は、「もんじゃ焼き」のお店が多く立ち並ぶ下町として有名です。
もんじゃ焼きというのは、たくさんの水で溶いた小麦粉に野菜などの具材を混ぜて焼く日本料理。水分量の多いお好み焼きとイメージすると良いでしょう。
月島に行く日本人の目的の多くが、このもんじゃ焼きを食べることといっても過言ではありません。情緒あふれる雰囲気の中で日本独自の料理を食べられるのは、月島ならではの体験です。

月島へのアクセス
月島駅(東京メトロ有楽町線、都営地下鉄大江戸線)から徒歩すぐ

おすすめ8位 神田(かんだ)

神田は、都心の近くでありながらレトロな雰囲気が残る下町。下町情緒あふれる商店街が複数あるのが特徴です。お手頃価格の日本料理店が多く、お昼時になると近くで働く会社員でいっぱいになります。
下町グルメを食べてみたいのであれば、神田は最適といえるでしょう。

神田のアクセス
神田駅(JR山手線・京浜東北線)から徒歩すぐ

おすすめ9位 人形町(にんぎょうちょう)

人形町は、かつて人形師(人形芝居を行う人)が暮らす下町として知られていました。
人形町に行ったら外せないのが「日本橋七福神巡り」です。福の神が祀られている7つの神社を全て参拝すると、運気がアップするといわれています。下町の雰囲気を味わいながら、日本の神社が持つパワーをもらいたいときにおすすめです。

人形町へのアクセス
人形町駅(東京メトロ日比谷線、都営地下鉄浅草線)から徒歩すぐ

おすすめ10位 門前仲町(もんぜんなかちょう)

門前仲町は、かつて存在していた永大寺(えいだいじ)の門前に形成された下町。
門前仲町へ行ったら、「辰巳新道(たつみしんどう)」を訪れるのがおすすめ。下町情緒あふれる居酒屋が並ぶエリアです。訪れれば、地元住民とのコミュニケーションを楽しめるでしょう。

門前仲町へのアクセス
門前仲町駅(東京メトロ東西線、都営地下鉄大江戸線)から徒歩すぐ

まとめ

東京の下町は、都心の中にあるとは思えないレトロな雰囲気が残るエリアです。訪れれば、かつての日本にタイムスリップしたような気分になれるでしょう。
都会の観光と併せて訪れて、違いを楽しんでみるのも面白いかもしれません。東京へ訪れたら、ぜひ下町にも足を運んでみてください。

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