和菓子は日本の伝統的なお菓子の1つです。その種類は様々あり、種類によって味わいや食感が異なります。
イートインやテイクアウトで食べることができ、お好みの方法で楽しめるのも和菓子の魅力です。
この記事では、和菓子の特徴と定番の種類、食べ方、和菓子を食べられる場所と買える場所を紹介しています。
読めば和菓子について詳しく分かりますので、和菓子に興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
和菓子とは何か
和菓子は、日本の伝統的なお菓子の1つです。
最大の特徴は、和菓子職人の技による芸術レベルの繊細な美しさが挙げられます。
海外からは「もったいなくて食べられないよ!」という声が聞こえる程です。
和菓子は日常のおやつとして食べることもありますが、格式高い伝統的なお茶会などの席でも食べられるものです。そのため、和菓子職人は、和菓子を作る技術や食材の知識を学ぶだけでなく、礼儀作法もきちんと学ぶ必要があると言われています。それらの知識があるからこそ芸術とまで言われる和菓子を作ることができるのでしょう。
材料としては、豆類や穀物類(もち米や小麦など)、フルーツ(栗やあんずなど)、寒天(海草の煮汁を固めて乾燥させたもの)などが使われています。
特に豆類は和菓子に最も多く使われ、中でも「小豆(あずき)」は和菓子に欠かせません。日本では古くから「赤褐色をした小豆には魔除け効果がある」と信じられており、それが和菓子に反映されているといわれています。
和菓子の種類
和菓子は大きく分けて3種類あり、その種類によって材料や作り方、食感が異なります。
それぞれの種類の定番については後ほど紹介しますので、ここでは特徴を簡単に説明します。
生菓子(なまがし)
1つ目は「生菓子」で、水分を40%以上含む和菓子です。
煮てつぶした小豆に砂糖を加えた餡(あん)やもち米(粘り気のあるお米)を使った生地などが使われ、これらを練ったり、型に流して固めたりして成形されます。
材料の性質上、時間が経つと硬くなるため、多くの生菓子の日持ちは1~3日ほどです。
水分量が多いため、柔らかくなめらかで、しっとりとした食感を味わえます。
半生菓子(はんなまがし)
2つ目は「半生菓子」で、含まれる水分が10%以上30%以下の和菓子です。
生菓子を長く食べられるように作られたのが半生菓子といわれ、その日持ちは3日~1週間程度が多いです。
生菓子の水分量を減らして、美味しく食べられる程度に硬く仕上げたものが半生菓子といえます。
干菓子(ひがし)
3つ目は「干菓子」で、半生菓子よりもさらに水分が少なく、乾燥した和菓子です。
干菓子で最も多く使われる材料は、もち米です。蒸したもち米を乾燥させて粉にし、砂糖を混ぜて型に入れて固めたり、焼いたりして成形されます。
干菓子の日持ちは1カ月~3カ月程度が多く、他の和菓子と比べると長い期間楽しむことができます。
食感は「カリカリ」や「パリパリ」といったように、固めの物を食べたときの食感に似ています。
和菓子の歴史
和菓子の歴史は、縄文時代(約13,000年前~約2,300年前)までさかのぼるといわれています。
当時、砕いた木の実を水でアク抜きして丸めた食べ物が作られていたそうです。この食べ物は、後に和菓子の定番である団子(だんご)の原形といわれています。
その後、中国へ渡った留学僧がお茶を持ち帰ると、そのお茶に合う食べ物として団子を始めとしたお菓子が作られるようになります。
和菓子が大きく発展したのは、江戸時代(1,603年~1,868年)です。
江戸時代を迎える前の日本は戦(いくさ:日本国内での領土争い等で発生していた戦争)が絶えず、お菓子を楽しむ文化がありませんでした。
しかし江戸時代に入ると戦が少なくなったことからお菓子作りをする人が増え、これがきっかけで様々な種類のお菓子が誕生しました。この時代に作られたのが、現在日本で食べられている和菓子です。
和菓子で最も多く使われる小豆には魔除け効果があるといわれたことから、日本人は和菓子を人生の節目やライフイベントにおいて食べてきました。
たとえば、地域や家庭によっては赤ちゃんが生まれて3日目に、その後も丈夫に育つことを願ってもち米に餡をまぶした和菓子が振舞われることがあります。
このため、日本人にとって和菓子は人生の節目やライフイベントには不可欠ですが、現在は特別な日でなくても和菓子は食べる日本人は多いです。
おやつや食後など日常生活においても食べられ、和菓子は日本人の暮らしに欠かせないお菓子となりました。
定番の和菓子【生菓子編】
生菓子は定番が最も豊富なため、日本人がよく食べる和菓子は生菓子といっても過言ではありません。
生菓子の定番として挙げられるのは、次の11種類です。
1. 団子(だんご)
団子は、米を原料とした生菓子です。一般的には丸く成形されており、お店では3個~4個の団子が串に刺さって売られています。
団子は味付けがされており、その味付けとして一般的なのは次の通りです。
- 餡/あんこ
- みたらし(砂糖で味付けされた醤油のたれ)
- きな粉(炒った大豆を粉にしたもの)
もちもちとした食感が美味しい和菓子です。
日本では老若男女問わず誰からも愛されているものの、味付けの種類で様々な論争が繰り広げられています。
「団子といえば、王道はあんこでしょう!」
「みたらしの甘辛い味付けこそ、団子の良さを引き出せる!」
「きな粉がかかっていない団子は、団子ではない!」
このような論争が起こるのも、逆を言えばそれだけ団子が愛されているからでしょう。
さて、あなたの好きな団子はどれでしょうか?
2. 羊羹(ようかん)
砂糖と寒天を加えた餡を煮詰めたり、蒸したりして作られる生菓子が羊羹です。
日本人に「和菓子といえば?」と聞くと、この羊羹を挙げる人も多いほど定番の生菓子といえます。
栗や練ったサツマイモが入っている羊羹もあり、羊羹と一言でいってもバリエーションは豊富です。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアで売られているほどカジュアルな生菓子である一方、高価な羊羹もあるため日本人はお世話になった人への贈り物としても選ぶことがあります。
非常に甘いのが特徴で、「甘いのが大好きな日本人」と「甘すぎるものは苦手な日本人」で好き嫌いが分かれるのも特徴です。甘いのが大好きな方にはとてもオススメできるので、ぜひ食べてみてください。
3. 大福(だいふく)
大福は、餡を餅(蒸したもち米で作られた生地)で包み、食用の白い粉をまぶしてある和菓子です。
日本人は餡と餅を原料とした大福はもちろん、大福をアレンジした和菓子も好んで食べます。
その代表作がフルーツ大福です。最近の日本では、いちご、キウイフルーツ、みかんなど様々なフルーツが包まれた大福が流行っています。
例えば、いちご大福は、餡の甘さとフルーツの甘酸っぱさが混ざり合い、とても美味しい味に仕上がっています。日本では、特に女性に好まれており「ダイエット中でもいちご大福が食べたい」と悩む人もいるほどです。
いちごの旬は冬から春の間ですので、その季節には色々なお店でいちご大福を見かけることが多くなるでしょう。見かけたら、ぜひ食べてほしい一品です。
4. 饅頭(まんじゅう)
練った小麦粉の皮に餡を包んだ生菓子が饅頭です。
饅頭は、製法によって次の2種類に分かれます。
- 蒸し饅頭…蒸して作る饅頭。甘酒を混ぜた皮に餡を包んだ饅頭「酒饅頭(さかまんじゅう)」などが該当する。
- 焼き饅頭…焼いて作る饅頭。栗を混ぜた白餡(白小豆で作られる餡)を皮で包む「栗饅頭(くりまんじゅう)」などが該当する。
パンのようなフカフカとした食感を味わえるのが特徴です。また、中には餡が詰まっているため、とても甘い味になっています。
日本の有名な温泉地には、名物として「温泉まんじゅう」がありますので、温泉に行った際に食べたり、お土産として買うのもオススメです。
5. どら焼き(やき)
どら焼きは、卵と砂糖を混ぜた小麦粉の円盤生地に餡が挟んである生菓子です。また、中には餡だけでなく、栗が入っていることも多いです。
どら焼きという名前の由来は、「銅鑼(どら)」という円盤状の楽器に形が似ていることから、どら焼きと呼ばれるようになったという説があります。
日本で愛されているアニメキャラクター・ドラえもんの大好物として有名で、パンケーキのようなほんのり甘い生地と上品な甘さの餡の相性の良さから好きな日本人も多いです。
最近では海外の方から「最も美しいパンケーキ」としても人気を集めています。
6. カステラ
カステラは、卵と牛乳、砂糖を混ぜた小麦粉を蒸し焼きにした生菓子です。
シフォンケーキのようにしっとり・ふわっとした食感で、ほんのり甘く濃厚な味になっています。また、抹茶を加えた「抹茶カステラ」や、チョコレートを混ぜた「チョコカステラ」などのバリエーションも存在し、色々な味を楽しめるのも特徴です。
そして、日本人にとってカステラとは「長崎県で有名な和菓子」です。
カステラの元になったポルトガルの伝統的な菓子パン「パン・デ・ロー」が初めて日本に伝わった地域というのが、長崎といわれているからです。
日本人に「カステラと言えば?」と質問すると、「長崎県」と答える人は多いでしょう。それほど、”カステラ=長崎県”というイメージが強い和菓子です。
長崎には元祖カステラを販売しているお店があるほどなので、長崎へ行く機会があればカステラを買ってみると良いでしょう。
7. わらび餅(もち)
わらび餅は、「ワラビ」という山菜の根から採れるデンプンが原料の生菓子です。
一般的に丸や四角で成形され、きな粉や黒蜜(煮詰めた黒砂糖)をかけて食べます。弾力があり、つるっとした食感が特徴です。
きな粉をたっぷりかけて、さらにその上から黒蜜をたっぷりかけたわらび餅は、とても濃厚な甘さでとても美味しいです。日本では、幅広い年代から人気を集めています。
わらび餅の歴史は古く、平安時代(794年~1,185年頃)にはすでに存在しており、その時代の天皇(後醍醐天皇)の大好物だったと言われています。
その涼しげな見た目から、日本では夏の風物詩として愛されています。
8. あんみつ
あんみつは、「みつまめ」と呼ばれる食べ物に餡と蜜(煮詰めた砂糖)をかけた生菓子です。
みつまめは、一般的に次のような甘い食べ物をいいます。
- 小さく立方体に切った寒天
- 赤エンドウ豆
- みかんやあんずなどのフルーツ
- 求肥(ぎゅうひ。もち米に水や砂糖を入れて練ったもの)
冷やすと美味しく食べられるため、日本人にとってあんみつは夏のデザートです。また、見た目も華やかであるため、SNSで投稿すればとても映えること間違いなしです。
日本旅行の際には、ぜひ甘味処であんみつとツーショットを撮影し、SNS投稿してみてはどうでしょうか?
9. おしるこ/ぜんざい
餅や白玉(米粉で作られた団子)に餡を添えた生菓子が、おしるこ/ぜんざいです。
小豆の甘みや香りを楽しむことができます。とても甘く仕上がっているものから、甘さ控えめであっさりしたものまであり、お店によって味が異なってきます。
おしるこ/ぜんざいは、基本的には次のような違いがあります。
- おしるこ…汁気のある餡が添えられる
- ぜんざい…汁気のない餡が添えられる
しかし、地域によって定義が異なるため注意が必要です。
上記は関東地方を中心に広まっていますが、関西と九州では以下のように分けられています。
【関西】
- おしるこ…こし餡(小豆をつぶした餡)が添えられる
- ぜんざい…小豆の粒が残っている餡が添えられる
【九州】
- おしるこ…餅が入っている
- ぜんざい…白玉が入っている
【沖縄】
- ぜんざい…白玉に金時豆(きんときまめ)で作った餡とかき氷が添えられる
沖縄を除き、おしるこ/ぜんざいは温かいのが一般的なので、日本人の多くは冬のおやつとして食べます。
10. 柏餅(かしわもち)
柏餅は、餅の中に餡を詰めたものに「カシワ」と呼ばれる葉で綴んだ生菓子です。
モチモチのお餅を食べると甘い餡が口の中に広がりとても美味しいです。また、そこにカシワの葉の風味もあり、日本茶と非常に相性が良い和菓子となっています。
カシワの葉はキチンと処理されているため食べることができますが、食べずに残しても良いものです。
多くの日本人にとって柏餅は、5月5日「端午の節句(たんごのせっく)」という男の子の成長と健康を願う日に食べる和菓子という位置づけです。カシワの葉は「家系を絶やさない」という縁起物として扱われているからです。
5月5日以外の日に柏餅を全く食べないわけではありませんが、日本では柏餅は特別な日に食べる和菓子として一般的であることを知っておくと良いでしょう。
11. 練り切り(ねりきり)
練り切りは、砂糖と山芋(加熱するともっちりとした食感の芋)、みじん粉(もち米を加工した粉)を白餡に混ぜて、練って作られる生菓子です。
練り切りの最大の特徴は、季節感が表現されていることです。
たとえば、次のようにその時季を象徴する植物や動物などに成形されます。
- 春…桜や水仙、ウグイスなど
- 夏…ひまわりや花しょうぶ、水鳥など
- 秋…紅葉や菊、栗など
- 冬…椿や梅、雪だるまなど
芸術的で美しい見た目から、練り切りは多くの日本人にとっては特別なシーンで食べる和菓子です。
お祝いの場や茶道体験会・お茶会などお客様をおもてなしする場において練り切りを食べる機会が多いといえます。とても日本的で美しい見た目なので、日本旅行のお土産にオススメしたいところなのですが、賞味期限は「翌日」などとても短いためお土産として持ち帰るには少し工夫が必要かもしれません。
定番の和菓子【半生菓子編】
半生菓子の定番として挙げられるのは、次の2つです。
1. たい焼き(たいやき)
小麦粉の生地に餡を入れて鯛(たい)の形をした型で焼く半生菓子が、たい焼きです。
しっとりとした生地と中の餡がマッチして、とても美味しい和菓子です。
定番は、中に餡が入ったものですが、その他にも、カスタードクリーム、クリームチーズ、チョコレートなど様々なものを中に入れることがあります。
基本的にたい焼きはお店で作ってもらったらすぐにテイクアウトできるため、日本人にとって気軽に食べられる和菓子ですが、特別な存在でもあります。鯛は日本語でお祝いを意味する「おめでたい」を連想できるため、縁起が良いとされているからです。
最近ではデニッシュ生地を使った「デニッシュたい焼き」やクロワッサン生地を使った「クロワッサンたい焼き」など変わり種も登場しており、中に入っているものとの組み合わせで、様々なバリエーションのたい焼きを楽しむことができます。
2. 最中(もなか)
最中は、薄く伸ばして焼いたもち米の皮に餡が挟まれている半生菓子です。
一般的に最中は丸く成形されていますが、現在では四角や花など様々な形の最中も販売されています。皮はサクッと軽く、餡はしっとりとしており、異なる食感を楽しめるのが特徴です。
日本人は、見た目の上品さから最中を贈り物として選ぶことがありますが、現在は餡の代わりにアイスを入れる「アイス最中」といったようなアレンジ最中も登場しているため、家庭用のおやつとして買うこともあります。
定番の和菓子【干菓子編】
干菓子の定番としては、次の2つが挙げられます。
1. せんべい
せんべいは、練った米や小麦などを原料にした粉を薄く伸ばして焼いたり、揚げたりして作られる干菓子です。
多くは丸く成形されていてカリカリとした食感ですが、様々な種類があり、その種類によって味付けや食感は異なります。
- 厚焼きせんべい…厚みがあり、しょう油で味付けされている
- 薄焼きせんべい…薄く、しょう油や塩などで味付けされている
- ざらめせんべい…ザラメ糖がまぶされている
- 揚げせんべい…甘辛いしょう油で味付けされており、揚げて作られる
家庭用のおやつとして買う日本人も多いですが、中には高級なせんべいもあるため贈り物として選ぶ人も少なくありません。
2. 落雁(らくがん)
砂糖や水あめ(粘り気のある甘味料)を入れた米などの穀類の粉を、型に入れて乾燥させて作られる干菓子が、落雁です。上品な甘さで、食感はホロホロとしています。
落雁の最大の特徴は、形と色です。
落雁の多くはお祝い事での贈り物や仏様へのお供え物など特別な場面で選ばれるため、その場面に応じた形や色で作られます。
以下は、場面別の落雁の特徴の一例です。
- お祝い事…縁起の良い鯛が成形され、紅白に色付けされている
- 仏様へのお供え…仏のシンボルである蓮の花が成形され、緑に色付けされている
このため、多くの日本人にとって落雁は気軽に食べるおやつという位置づけではありません。
ただし、茶道体験会やお茶会では落雁はお茶菓子として出されることがあるため、日本人はこのイベントに参加したら食べます(茶道については「日本の茶道とは?歴史や作法、体験できる場所を紹介」で紹介しているので、詳しく知らない方はご覧になってみてください)。
もちろん、落雁をおやつとして買ってはいけないわけではありません。
和菓子を買える場所は後述しているので、気になる方はそこで探してみると良いでしょう。
和菓子の食べ方
基本的に日本人は緑茶と一緒に和菓子を食べます。たいていの和菓子は緑茶に合うように作られているからです。
しかし、実は和菓子はコーヒーや紅茶との相性も良いです。特に餡が入っている和菓子は、ほとんどといって良いほど好相性といえるので試してみると良いでしょう。
また、和菓子は食べ方の作法もあります。以下は、生菓子を食べるときの作法の一例です。
- つまようじ(先の尖った木製の細い棒)がある場合は、つまようじを使って左から一口分ずつ切って食べる。このとき、つまようじを持っていない手はお皿に軽く添える。
- つまようじがなく懐紙(ティッシュペーパーのような役割を果たす和紙)があれば、懐紙に包んで食べる。
- 懐紙がない場合は、和菓子が乗ったお皿を持ち上げて食べる。
家でおやつとして和菓子を食べるときは上記を気にする日本人は少ないですが、食事会やお茶会といったかしこまった場面で和菓子を食べるときは意識する人は多いため、このような機会に参加することがあれば知っておいた方が良いでしょう。
和菓子を食べられる主な場所
和菓子は、主に次の4箇所で食べることができます。
1. 甘味処(和カフェ)
甘味処というのは、和菓子をメインに提供するカフェをいいます。
甘味処には和菓子に合うお茶もあるため、日本人は旅行やお出かけのときのおやつの時間に和菓子を食べたいと思ったらこの甘味処に行くことが多いです。
お店によって提供されている和菓子は異なりますが、定番は次の3つです。
- あんみつ
- おしるこ/ぜんざい
- わらび餅
甘味処は、百貨店、ショッピング施設の飲食店フロア、街中などで見つかりますが、訪問する地域によってはない場合もあります。行ってみたいのであれば事前に確認することをオススメします。
和菓子を食べられる甘味処の例
2. 和食レストラン
和食を提供しているレストランでも和菓子を食べられます。
甘味処と比べると種類は少ないですが、甘味処の定番であるあんみつ、おしるこ/ぜんざい、わらび餅を提供している和食レストランは多いです。
和食レストランは基本的にランチや夕飯といった食事が中心のため、日本人が和食レストランに行って和菓子を食べるのは、これらの食事を済ませた後が多いです。
ただ、中にはお出かけしたときのおやつの時間に和食レストランへ訪れて和菓子を楽しむ日本人もいます。
和菓子を食後のデザートとおやつの両方で味わえるのが、和食レストランの特徴です。
和菓子を食べられる和食レストランの例
3. 日本庭園
日本の伝統的な庭園「日本庭園」では甘味処を設けているところも多く、そこで和菓子を食べられます。
日本人は観光で日本庭園を訪れた際、休憩をかねて甘味処へ行き、そこで和菓子を食べることが多いです。日本庭園が持つ美しい自然を見ながら、和菓子を楽しむことができます。
和菓子を食べられる日本庭園の例
- 新宿御苑(しんじゅくぎょえん)/東京都・新宿区
- 三渓園(さんけいえん)/神奈川県・横浜市
- 兼六園(けんろくえん)/石川県金沢市
- 岡山後楽園(おかやまこうらくえん)/岡山県岡山市
4. お寺
お寺はお茶の礼儀作法を重んじる仏教(禅宗)との関わりがあることから、茶道体験会やお茶会が開催されているところも多く、その場で和菓子を食べることができます。
また、観光客向けの休憩処として甘味処を設けているお寺もあるため、そこでも和菓子を食べられます。
日本人はお寺での茶道体験やお茶会に参加したときや、お寺を観光していて休憩がてら甘味処に入ったときに和菓子を食べることが多いです。
食べられる和菓子はお寺によって異なりますが、茶道体験会・お茶会であれば練り切りや落雁、甘味処であればあんみつやおしるこ/ぜんざい、わらび餅を食べられることが一般的といえます。
「日本の伝統的なお茶の作法を学びながら和菓子を食べてみたい」、あるいは「お寺の静寂な雰囲気を味わいながら和菓子を食べてみたい」というときにオススメです。
和菓子を食べられるお寺の例
- 築地本願寺(つきじほんがんじ)/東京都・中央区
- 平等院(びょうどういん)/京都府・宇治市
- 醍醐寺(だいごじ)/京都府・京都市
和菓子を買える主な場所
ここまで紹介してきた和菓子を食べられる主な場所では、和菓子の種類が限定されています。
「色々な和菓子を食べてみたい」というのであれば、和菓子を販売するお店に行くのがオススメです。
和菓子を買える主な場所には、次の4つが挙げられます。
1. 和菓子専門店
和菓子専門店では、ほとんどの定番和菓子を買えるといっても過言ではありません。
和菓子専門店の和菓子の多くは質が高く高価なため、日本人は以下のようなときに訪れることが多いです。
- 少し贅沢なおやつとして和菓子を食べたいとき
- お茶会などお客様をおもてなしするときに出す和菓子を買いたいとき
- 贈り物(特に年配の方など目上の人への贈り物)やお祝いのお返しに和菓子を選びたいとき
このため、「来客用の和菓子を買いたい」や「お世話になった人に和菓子を送りたい」といったように特別な場面で和菓子を買いたいときは和菓子専門店に行くのがオススメです。もちろん、日本旅行のお土産として和菓子を買いたいときにも、和菓子専門店で買うのはオススメです。
和菓子専門店は、たいてい以下にあるのでチェックしてみてください。
- 百貨店(大丸や高島屋など)の地下食品フロア
- 駅構内のショッピング施設の食品フロア
- その他商業施設の食品フロア
和菓子専門店の例
2. スイーツ店
スイーツ店というのは、和菓子を含めたお菓子全般を専門に扱うお店です。
和菓子を買えるスイーツ店として日本で最も有名なのが「シャトレーゼ」です。
沖縄県以外の地域で全国的に展開されているチェーン店であり、お家で食べるおやつに向いているお菓子から手土産用のお菓子、贈り物のお菓子まで様々な用途向けのお菓子を買えることで人気のため、知らない日本人はあまりいないといって良いでしょう。
地域によって異なる場合もありますが、ここで紹介した干菓子以外の定番和菓子はたいてい買えます。
中でも「北海道産バターどらやき」は、シャトレーゼで販売しているお菓子の売上1位を誇っている和菓子といわれています。シャトレーゼに行ったら買ってみてはいかがでしょうか。
3. スーパーマーケット
スーパーマーケットでも和菓子を買えます。
日本人がスーパーマーケットで和菓子を買うのは、お家で食べるおやつとして和菓子を食べたいときです。和菓子専門店やスイーツ店と比べると手ごろな価格の和菓子が並んでいるからです。
スーパーマーケットは日本中どこにでもあるので、ちょっと小腹が空いたときに行ってみてはいかがでしょうか。
4. コンビニエンスストア
コンビニエンスストアでも和菓子を買えます。
今、日本のコンビニエンスストアで売られているスイーツは同業他社間で激戦化しており、それに伴って色々な和菓子が発売されています。
コンビニエンスストアで買えるのは、定番和菓子をアレンジした和菓子であることが多いです。たとえば、以下のような和菓子が挙げられます。
【セブンイレブン】
【ファミリーマート】
※地域や時期によっては販売されていないこともあります。
このため、和菓子の変わり種を食べてみたいときにはコンビニエンスストアに行く日本人は多いでしょう。
もちろん、種類は少ないですが定番の和菓子もあります。
コンビニエンスストアで多く見かけるのは、1個売りの羊羹や大福、どら焼き、団子です。たいていレジ前に置かれているのでチェックしてみてください。
まとめ
日本の伝統的なお菓子で種類が豊富な和菓子は、歴史は古いものの現在でも多くの人に愛されています。
甘味処のようなカジュアルな場所からお寺といった伝統的な施設で食べることができ、買える場所も百貨店からコンビニエンスストア、高級店からカジュアルなお店まで幅広いところも魅力です。
ぜひ色々な和菓子を試していただき、お気に入りを見つけてみてくださいね。
コメント